・故人を送るについて考えてみる

葬儀従事者が葬儀を学ぶ為の解説書『葬儀概論』によると、葬儀には社会的、物理的、宗教的、心理的、社会心理的な役割があると書かれています。

日本の『葬儀』という文化は長い歴史の中で地域ごとに培われてきたものですが、その中で不必要なものは省かれてきている傾向にあります。

社会的な役割として行政での手続きはもちろん必要ですが、一昔前によく見られた喪主の勤務先からの弔問や挨拶程度しか交わさないご近所の弔問はほとんど無くなりました。

元々は大袈裟にせず家族葬で行いたい遺族の意向からでしょうが、これが本来の葬儀のあり方として定着しています。

故人からすると会ったこともない親しかった訳でもない人に送られるより、その分、家族の負担が減り家族の方に見送られて旅立つことが出来る方が幸せなのではないでしょうか。

送る側の意思で葬儀の形は決まってしまうものですが、今一度、送られる側の立場になってみるのが良いのかもしれません。